犬のしつけ方について一覧でまとめました
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犬のうなる癖を直す

 犬の祖先はオオカミですので、自分の所属しているグループ内における序列(じょれつ)を競い合うよう遺伝子(いでんし)にプログラムされています。 ですから家庭内における序列が、飼い主よりも犬の方が上になってしまうと、時に人間を見下してあたかも威嚇(いかく)するかのような行動を見せることがあります。

犬のうなる癖について
 「犬のうなる癖」とは主人である飼い主に対して反抗的(はんこうてき)な態度を取り、うなり声を出して威嚇(いかく)することです。まずはその犬のうなる癖について考えて見ましょう。
うなるときの状況と犬の心理
ある場所から犬をどかそうとしたらうなる
『この場所は渡さないぞ!子分のくせに生意気なやつだ!』(権勢症候群によるうなる癖)
食事中に食器を取ろうとするとうなる
『これはリーダーである自分の餌だ!子分であるお前の分はないぞ!』(権勢症候群によるうなる癖)
体を触ろうとするとうなる
『勝手に触るんじゃないよ!子分のくせに厚かましいな!』(権勢症候群によるうなる癖)
おもちゃを取り上げようとするとうなる
『これはリーダーである自分のおもちゃだ!子分はあっちに行ってろ!』(権勢症候群によるうなる癖)
犬のうなる癖の原因
 犬がうなる状況や心理は色々ありますが、うなる癖の原因を一言で言うと
「うなることと不快が結びついていない」&「うなるのをやめることと快が結びついていない」という 飼い主の側のしつけ不足が根本的な原因です。しつけができていないために犬の中では「自分がリーダー/飼い主は子分」という序列意識が出来上がっており、 犬が飼い主に反抗する「権勢症候群(アルファ・シンドローム)」が発現しています。
 してほしい行動と快、してほしくない行動と不快を結び付け、犬と飼い主との序列関係を修復することが、犬のうなる癖をしつけ直す際には必要となります。
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犬のうなる癖をしつけ直す〜基本方針
 犬のうなる癖をしつけ直すに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動
犬から物や場所を取り上げようとしても反抗しない
してほしくない行動
犬から物や場所を取り上げようとすると反抗してうなる
 してほしい行動と快(賞)、してほしくない行動と不快(罰)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を正の強化(陽性強化)、 後者を負の強化(陰性強化)と呼ぶことは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べました。これを踏まえて犬のうなる癖をしつけ直す場合を考えて見ましょう。
正の強化〜陽性強化
「犬から物や場所を取り上げようとしても反抗しなかった」瞬間に快(賞)を与える
負の強化〜陰性強化
「犬から物や場所を取り上げようとすると反抗してうなった」瞬間に不快(罰)を与える
 犬のうなる癖をしつけ直す際は陽性強化、陰性強化の両方が効果的です。 たとえば「おもちゃを取られそうになった⇒反抗してうなった⇒大きな物音で不快感を与えた」という形で負の強化をしたとしましょう。 この時犬は「反抗してうなった⇒不快な大きな音がした」という解釈をするでしょう。この解釈は上記した負の強化(陰性強化)の目的に適っており、犬が誤解する要素も少ないので、犬のうなる癖をしつけ直す際は陰性強化も採用してよいと思います。
 犬のうなる癖をしつけ直す際は、反抗してうなった瞬間に罰を与える「負の強化」をメイントレーニング、うなることをやめておとなしくなった瞬間に賞を与える「正の強化」をサブトレーニングとして進めていきます。
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犬のうなる癖をしつけ直す〜実践
 犬のうなる癖をしつけ直すに当たっての基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。 まずは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べた大原則、つまり「一つの行動と快・不快を同居させないこと」、 「行動の最中に賞罰を与えること」を思い出してください。
しつけの準備
快を与えるもの(賞)を用意する=おやつ、なでる 不快を与えるもの(罰)を用意する=下記表参照 うなる癖を引き起こす状況を見極める
快を与えるもの(賞)を用意する
 おやつを使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。なでるときは軽く「よーし」や「いいこ」や「グッド」などのほめ言葉を決めておき、その言葉と同時に軽く一回なでてあげます。あまり激しく撫で回してしまうのは望ましくありません。第一に犬が興奮しすぎて集中力がなくなりますし、第二になでられることに慣れてしまって「なでる」という行為が犬にとって賞(快を与えるもの)でなくなってしまう危険性があるからです。
不快を与えるもの(罰)を用意する
 犬に不快を与える際の注意点は、「飼い主が自分に不快感を与えた」と思わせないことです。ペットと飼い主の固い絆を維持するには、 飼い主は常に快を与える存在であることが必要だからです。
 そこで必要となるのが「天罰」(てんばつ)ですが、これは飼い主が不快を与えたと犬に気づかせることなく、何らかの罰を与えることです。具体的には以下のようなものがあります。犬に対する天罰いろいろ
視覚的天罰 いきなり布や上着のようなものを犬の視界にかぶせる
聴覚的天罰 石を入れた空き缶を落とす
嗅覚的天罰 酢を薄めたスプレーを噴霧する
味覚的天罰 噛み付き防止剤=ビターアップル
触覚的天罰 リードで首輪をぎゅっと引く
うなる癖を引き起こす状況を見極める
 まずは自分の飼っている犬が何を引き金にしてうなるのかを見極めましょう。
しつけの実践
犬がうなる状況を作る 反抗してうなる瞬間に不快を与える うなることをやめた瞬間に快を与える ごほうびの回数を減らす 犬の心理を理解する
ステップ1 犬がうなる状況を作る
厚手の手袋 犬がうなる癖をする状況を再現します。ここからしつけのスタートです。うなる癖を引き起こす状況が以下の場合は参考ページもご参照下さい。反抗的態度が強い場合はホームセンターなどで厚手の手袋を買っておき、噛み付かれても怪我をしないように配慮しながら行います。
ステップ2 反抗してうなった瞬間に不快を与える
うなった瞬間に天罰が下る犬 犬が反抗してうなったら、その瞬間にすかさず用意していた天罰を与えます。犬は「この状況でうなったら嫌なことがあるぞ!」と学習し、うなることに段々と消極的になってきます。
 なかなかうなりをやめようとしない場合は、天罰の種類を変えてみます。大きな音を出してもあまりこたえていないようなら、頭の上から急に布や上着を被せて驚かせるという視覚的な天罰に切り替えてみましょう。犬によって「不快」と感じるトリガーが微妙に違いますので、そこは試行錯誤です。
 犬の反抗的な態度が薄らぎ、飼い主の手に噛み付く危険性が少なくなったら次のステップに進みましょう。
ステップ3 うなることをやめた瞬間に快を与える
厚手の手袋 反抗してうなると天罰が下り、うなるのをやめた瞬間に「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。最初のうちはホームセンターなどで厚手の手袋を買っておき、噛み付かれても怪我をしないように配慮しながら行います。手を直接犬の口に近づける形ではなく、ごほうびを手から放り投げる形でも構いません。
飼い主の手に噛みつく犬 「うなる⇒天罰⇒うなるのをやめる⇒ごほうび」という一連の流れで行ってください。天罰が下ったすぐ後でごほうびを与えることで、「何をすれば天罰が下り、何をすればごほうびがもらえるか」の境界線が明確化し、犬の理解を助けます。
 犬は「飼い主の手が近づいてきたら嫌な事がある」と学習している可能性もありますので、飼い主の手が不快の原因ではなく、 あくまでも「うなる」という自分自身の行動が不快の原因であると認識させるために、天罰の直後に飼い主の手からごほうびを与えて犬の誤解を解くという作業は必須となります。
 うなり癖がなくなってきたら手袋を外して素手で行います。
ステップ4 ごほうびの回数を減らす
 犬のうなる癖がなくなってきたら、今度はごほうびを与える回数を減らしていきましょう。常にごほうびを与えていると犬がごほうび自体に飽きてしまったり、肥満の原因になりかねません。毎回ごほうびを与える⇒2回に1回ごほうびを与える⇒3回に1回⇒4回に1回・・・と減らしてゆき、最終的には「いいこ」などのほめ言葉だけにします。
ステップ5 犬の心理を理解する
 最後は再発予防です。犬はなぜ「自分がリーダー/飼い主は子分」という間違ったとらえ方をしたのでしょうか?飼い主をリーダーと認めさせるを読み、犬の序列心理を理解しましょう。
しつけをする上での注意 犬の集中力は10分〜15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。
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