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犬のうなる癖をしつけ直す

 犬のうなりとは、遊んでいるときのものを除けば、「これ以上調子に乗ると噛み付くぞ!」という警告です。この警告を無視してしまうと時に咬傷事故につながりますので、原因に対する正しい理解と、できれば対処法を知っておきたいものです。

犬のうなりの原因

 犬の「うなる」という行為は威嚇の一種であり、噛み付くという闘争行動の前段階に位置します。犬の攻撃行動でも詳述したとおり、犬の攻撃性は非常に多くの分類がなされていますが、この分類に準じて犬の「うなり」をリスト化してみると、おおむね以下のようになります。
犬のうなりの分類
  • 恐怖性のうなり 恐怖心に駆られてた状態から発せられるうなり。耳を下げ、震えながらも相手を威嚇しようとする。
  • 食物関連性のうなり 確保したエサを取られまいとするときに出るうなり。オオカミでは極めて顕著。
  • 所有性のうなり お気に入りのおもちゃや毛布などを取られまいとするときに出るうなり。
  • 優位性のうなり 相手に対して優位であることを知らしめるためのうなり。耳を立て、歯をむき出して毛を逆立てていることもある。
  • 縄張り性のうなり 自分が縄張りとみなす領域に侵入してきたものに対する威嚇のうなり。外飼いの犬が宅配業者に歯をむき出してうなるときなど。
  • 母性のうなり 子犬を守ろうとする母犬が出す一過性のうなり。妊娠中、想像妊娠中、出産後の母犬で見られる。
  • 防護性のうなり 飼い主に見知らぬものが近づいてきたときなど、仲間を守ろうとするときに出るうなり。家に来た友人にうなるときなど。
  • 同種間性のうなり 犬同士がケンカをする際に出るうなり。犬同士のケンカに関しては、メスの方が多い。
  • 遊びのうなり じゃれあいや綱引きの際に出るうなりで、怒りや恐れは伴わない。鼻の上にしわを寄せない。
  • 疼痛性のうなり 病気や怪我でどこかが痛いとき、近づくものに対して出される威嚇のうなり。交通事故にあった犬や、動物病院に連れてこられた犬など。
  • 薬剤性のうなり 糖質コルチコイド薬を投与された犬に見られるうなり。2016年に行われた調査では、投薬によって「食事中のうなりが増える」、「ささいなことでよく吠える」、「邪魔されたときに反撃してくる」といった行動の変化が引き起こされることが確認されている(→詳細)。
犬のうなりの原因を放置したまましつけても、事態は悪化するだけ。  さて、犬がうなる原因は上記したように多種多様ですが、こうした根本原因を放置したまま「うなる」という表面的な行為だけを消し去ってしまうと、最悪のケースでは威嚇射撃無しの発砲が起こってしまうこともありえます。すなわち、「うなる」という事前の威嚇行動が全く無いまま、突然相手に噛み付いてしまうというということが起こりえるわけです。
 しかし、「うなる」という表面的な行為ではなく、犬がうなる根本原因の方をなくすことができれば、「うなる」という望ましくない行為が消えると同時に、咬傷事故を予防することもできるはずです。
 当サイト内では、比較的アプローチしやすい恐怖性、食物関連性、所有性の「うなり」について、最も危険性が少ないと思われる手法を中心に解説していきたいと思います。なお、犬のうなり声からその大まかな意図を理解する際は、うなり声から犬の心を読むをご参照ください。
うなりと攻撃性  犬のうなりは基本的に攻撃行動の警告であり、犬が中~大型犬の場合、重大な咬傷事故が起こってしまう危険性もあります。犬の攻撃行動を熟読し、場合によっては臨床行動学(動物の問題行動を専門に扱う)のエキスパートに助言を求めることもご一考ください。
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犬のうなる癖をしつけ直す~基本方針

 犬のうなる癖をしつけ直すに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。  してほしい行動と快(ごほうび)、してほしくない行動と不快(おしおき)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を強化、 後者を弱化と呼ぶことは犬のしつけの基本理論で述べました。これを踏まえて犬のうなる癖をしつけ直す場合を考えてみましょう。
してほしい行動
犬から物や場所を取り上げようとしてもうならない
してほしくない行動
犬から物や場所を取り上げようとするとうなる
強化
「犬から物や場所を取り上げようとしても反抗しなかった」瞬間に快(賞)を与える
弱化
「犬から物や場所を取り上げようとすると反抗してうなった」瞬間に不快(罰)を与える
 犬のうなる癖をしつけ直す際は強化の方が効果的です。
 嫌悪刺激によるしつけはタイミングが難しく万人向きではないため、うなることをやめておとなしくなった瞬間に賞を与える「正の強化」をメイントレーニングとして解説していきます。
望ましくないしつけ方  犬のうなる癖を体罰を用いてしつけることは望ましくありません。犬がうなるのは自分にとって不愉快な何らかの原因があるからであり、その原因を抱えたまま罰を受けると、ストレスが倍増してしまいます。これは常同行動(同じ行動を病的に繰り返す)や予告無しの噛みつきといった他の問題行動の誘引になりますので、避けるようにします。
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恐怖性のうなり

人の手を異常に怖がる犬の「ハンドシャイ」  恐怖性のうなりとは、対象への恐れから出る威嚇行動で、言うなれば、へっぴり腰で強がりを言うようなものです。人の手、窓から見える侵入者、同居している猫、来客、上に覆いかぶさる人など、犬が恐怖を感じる対象はたくさんありますが、ここではペットとの共同生活で致命的な障壁となるハンドシャイ(人の手を怖がること)に関連したうなりについて、系統的脱感作、および拮抗条件付けを用いたしつけ方を解説します。
系統的脱感作・拮抗条件付け
 系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)とは、犬の問題行動を誘発する刺激を、程度の軽いものから重いものに段階的に繰り上げ、徐々にならせていく手法のことです。
 拮抗条件付け(きっこうじょうけんづけ)とは、犬の怒りや恐れを誘発する刺激を、逆に犬にとって心地よいものとして学習しなおさせることを言います。
 また、体の一部に触るとうなる場合はボディコントロールのしつけ、特定の音に反応してうなる場合は犬を音に慣らす、そして窓から見える侵入者や来客に対してうなる場合は無駄吠えのしつけもご参照ください。これらのページでも、上記した系統的脱感作、および拮抗条件付けを用いたしつけ方について詳しく解説してあります。
 なお、犬は人間にとってはどうでもよいと思われる些細なものに対して怖いと感じることもあるようです。詳しくは犬の恐れにまとめましたので、こちらも併せてご参照ください。
しつけをする上での注意  犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。

「人の手」という視覚刺激に慣らす

 まず、突発的に噛み付けないよう犬をリードでつなぎ、そばに近づいて落ち着くまで待ちます。そして犬の前に食器を用意し、その中にゆっくりとおやつやフードを1つ入れ、手を食器から離しましょう。おとなしくしていたら、同じ要領でゆっくりと1つずつ入れてあげ、そのたびごとに手を食器から離します。なおこのとき、おやつやフードが犬にとって十分なごほうびとして機能するよう、半日~1日程度食事を抜いておくと効果的です。
 もし途中でうなったらその瞬間そっぽを向き、完全に無視します。そして犬が落ち着いたタイミングで再びゆっくりとおやつを入れてあげましょう。 ハンドシャイの犬に対してはいきなり触らず、まずは「人の手からはおいしいものが出てくる」、と好印象を持たせること。  このステップは、「人の姿」・「人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とを結びつける古典的条件付けであると同時に、「うなりやむこと」と「ごほうび」とを結びつけるオペラント条件付けでもあります。すなわち、「人の手は自分にとっていいものをもっている」、「うならないとごほうびをもらえる」という記憶を強化しているわけです。

手を徐々に近づけていく

 犬が「人の手」という視覚刺激に慣れてきたら、今度はおやつやフード10個くらい握り、1つずつ食器の中に入れてあげます。今回は、与えた手を元の位置に戻さず、食器の近くに置いたままにしてみましょう(最初の内は厚手の手袋をして)。犬が警戒しておやつを食べないようならもう少し手の位置を離してみます。このようにして徐々に食器と手の距離を縮めていきましょう。
 このステップは特に「人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とをより強固に結びつける古典的条件付けです。

手から直接おやつを与える

犬に手から直接エサやおやつを与えるときは、犬が怖がらないよう必ず下からゆっくりと近づけること。  犬が人の手に対する警戒心を解いたら、今度は手から直接おやつを与えてみましょう。おやつを乗せた手のひらを目線の下からゆっくりと犬の鼻先に近づけて匂いを嗅がせます。そのまま食べてくれたら大成功です。警戒しているようでしたらもう一度前のステップに戻って根気強く手とごほうびの条件付けを強化します。
 なおこのステップのポイントは、まず「手」という視覚刺激にならすことです。犬の頭に手をいきなり乗せて「いいこ」をするのは、ボディコントロールのしつけが終了してからで構いません。またおやつを与えるときは、必ず目線の下からゆっくり手を近づけることがポイントで、目線の上から急に手を差し出すことは絶対に避けるようにします。

プルーフィング

どんな人の手に対しても「手=自分の味方」という条件付けをもたせること。  仕上げとして、色々な人の手からおやつを与えてみましょう。飼い主の手にだけ警戒心を解いた状態は十分とは言えません。誰の手に対しても警戒心を解いた状態まで持っていかないと、咬傷事故の可能性が残ったままになってしまいます。
 この過程をプルーフィングといいますが、犬が人の手に十分なれたタイミングで、今度は「人の手に触られる」という触覚刺激に慣らしていきましょう。具体的にはボディコントロールのしつけをご参照ください。
般化とプルーフィング
 般化(はんか)とは、異なる状況の中で、快不快の引き金となる共通刺激を見出すことで、プルーフィングとは犬の般化を人為的に促すことです。
 たとえば「人の手」という視覚刺激のプルーフィングを例に取ると、自宅、公園、友達の家、道路、ドッグランなど様々な場所で、家族、友人、知人など様々な人がある特定の犬に手からごほうびを与えることで促されます。これは、全ての状況に共通しているごほうびのきっかけが「人の手」であることを犬が学習して始めて達成されることであり、プルーフィングが不十分だと、「飼い主の手は怖がらないけれども、友達の手は怖がってしまう」という奇妙な現象が起こります。
 なお、「人の手が自分にとって気持ちよいものだ」という条件付けを崩さないよう、日頃からおやつを飼い主の手から与えたり、マッサージしてあげることも効果的です。逆に、人の手と不快感をリンクしないよう、決して犬の頭を叩いたりはしないでください。また日ごろから問題行動予防トレーニングを行っていると、再発予防になるでしょう。
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食物関連性のうなり

犬が自分のえさやおやつなど、食物に関連したものに対して異常な執着心を見せることをフードガーディングとも言います。  食物関連性のうなりとは、食事している食器に人が近づいたり手を近づけたりすると、犬が歯をむき出して「ウ~ッ!」とうなることで、時にフードガーディング(food guarding)とも呼ばれます。生後2ヶ月頃から食べ物をめぐって家族に対してうなるような犬は、後に家族に対して攻撃的になるとも言われていますので(Guy NCら, 2001)、可能な限り早い段階で対処したい問題行動と言えます。
 以下では危険性が少ないと思われるしつけ方をご紹介しますが、問題行動がこじれないよう、事前に犬の攻撃行動を熟読し、場合によっては臨床行動学の専門家に相談することもご一考ください。
しつけをする上での注意  犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。

食器に近づく人の手に慣らす

 まず半日~1日ご飯を抜いておなかをすかせた犬をリードで固定して突発的に噛み付けないようにします。犬の前に空の食器を置き、1回分の食事が入った容器を犬が届かないところに置きます。万が一の噛みつきに備え、最初は厚手の手袋をして行いましょう。
 犬がフードを欲しがって、飼い主に対してうなったり吠えたりしたら、その瞬間そっぽを向いて完全に無視します。そしてうなりをやめた瞬間を見計らって犬へ関心を戻し、フードを5粒ほど投げ入れてやります。まずはこの手順を、犬がうならなくなるまで毎食、数日間に渡って延々と繰り返します。 食物に関連してうなる犬に対しては、まず「人の手からはおいしいものが出てくる」、と好印象を持たせること。  このステップは、「食器に近づく人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とを結びつける古典的条件付けであると同時に、「うなりやむこと」と「ごほうび」とを結びつけるオペラント条件付けでもあります。すなわち、「人の手が食器に近づくとごはんがもらえる」、「うならないとおいしいものをもらえる」という記憶を強化しているわけです。

エサに近づいてくる人の手に慣らす

 犬が「食器に近づく人の手」に慣れてきたら、今度は食器を30cmほど離して2つ並べ、1回分の食事を5等分くらいにします。まずは一方の食器(食器A)にフードを1/5だけ入れ、犬に食べさせます。そして食べている最中、手をもう一方の食器(食器B)にゆっくりと近づけてみましょう(最初は厚手の手袋をして)。このとき手には犬が無我夢中になるようなとっておきのおやつを握っておきます。
 犬がうならずに黙々と食べているようなら、ごほうびとしておやつを食器Bに入れてあげます。もし犬がうなり始めたら手を止め、うなりやんだ瞬間を見計らっておやつを食器Bに入れましょう。犬がフードを食べ終えたら食器Aに再び1/5のフードを補充し、この手順を5セット繰り返しますが、犬のうなり癖がなくなるまで毎食繰り返す必要があります。 食べている最中の犬に手を近づけ、うなったらストップ、うならなかったりうなりやめた瞬間、とっておきのごほうびを与える。  このステップは、「食事中のエサに近づいてくる人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とを結びつける古典的条件付けであると同時に、「うなりやむこと」と「ごほうび」とを結びつけるオペラント条件付けでもあります。すなわち、「食べている最中に人の手が近づいてくると、とっておきのおやつがもらえる」、「うならないとおいしいものをもらえる」という記憶を強化しているわけです。

人の手とごほうびを強固に結びつける

最終目標は、食事している犬の食器に、飼い主が手を入れてもうならない状態になること。  30cmほど離していた食器を徐々に近づけながらステップ2を繰り返します。5cm刻みくらいで段階的に行ってください。最終目標は、食器を1つだけにし、食べている最中に飼い主が手を近づけてもうならないようにすることです。ここまできたら、犬の食事のしつけにもチャレンジしてみましょう。
 なお、「人の手が自分にとって気持ちよいものだ」という条件付けを崩さないよう、日頃からおやつを飼い主の手から与えたり、マッサージしてあげることも効果的です。逆に、人の手と不快感をリンクしないよう、決して犬の頭を叩いたりはしないでください。また日ごろから問題行動予防トレーニングを行っていると、再発予防になるでしょう。
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所有性のうなり

自分のお気に入りの所有物を相手に渡すまいと、威嚇するのが所有性のうなり  所有性のうなりとは、自分のお気に入りのおもちゃなどを取られまいと、犬が威嚇してうなることで、時にリソースガーディング(resource guarding)とも呼ばれます。人間で言うと、携帯電話を勝手に覗き見している人に「コラッ!」と声を荒げるようなものでしょう。
 以下では危険性が少ないと思われるしつけ方をご紹介しますが、問題行動がこじれないよう、事前に犬の攻撃行動を熟読し、場合によっては臨床行動学の専門家に相談することもご一考ください。
しつけをする上での注意  犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。

人の姿や手に慣らす

 犬が独り占めしようとしているものが、ある特定の「おもちゃ」である場合、半日~1日おもちゃをおあずけにした犬をリードで固定して突発的に噛み付けないようにします。そうした上で犬が大好きなおもちゃをたこひもなどで結び、見せてみましょう。
 もし犬が犬がおもちゃを欲しがってうなったり吠えたりしたら、その瞬間そっぽを向いて完全に無視します。そして鳴きやんだりうなりやんだりした瞬間を見計らって犬へ関心を戻し、おもちゃを投げ与えましょう。しばらく遊ばせたら犬の隙を見て紐を引っ張り、おもちゃを回収します。まずはこの手順を、犬がうならなくなるまで数日間延々と繰り返します。 所有欲の強い犬に対しては、まずうなっている間は大好きなおもちゃをもらえないとわからせる。  このステップは、「人の姿」・「人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とを結びつける古典的条件付けであると同時に、「うなりやむこと」と「ごほうび」とを結びつけるオペラント条件付けでもあります。すなわち、「人がいると自分にとっていいことがある」、「うならないとおもちゃをもらえる」という記憶を強化しているわけです。

所有物に近づく人の手に慣らす

 犬が人の姿や手の存在に慣れてきたら、犬がおもちゃで遊んでいる最中、ゆっくりと手を近づけてみましょう。このとき手には、犬が独り占めしているものよりも無我夢中になるようなとっておきのおやつを握っておきますが、万が一の噛みつきに備え、最初は厚手の手袋をした状態で行います。
 犬がうなり始めたらストップし、おやつはおあずけです。そしてうなりやめた瞬間を見計らい、とっておきのおやつを与えましょう。この手順を犬がうならなくなるまで繰り返します。
 ただし犬に与える代替ごほうびを「より魅力的なおもちゃ」にしてしまうと、回収するのに時間がかかるため、可能な限りおやつを用いるようにしたほうがよいでしょう。 犬がお気に入りのものを独り占めしているときに近づいてくる人の手には、犬にとって占有物よりも魅力的なものが握られていると覚えこませる。  このステップは、「所有物に近づいてくる人の手」という視覚的刺激と「ごほうび」とを結びつける古典的条件付けであると同時に、「うなりやむこと」と「ごほうび」とを結びつけるオペラント条件付けでもあります。すなわち、「食べている最中に人の手が近づいてくると、とっておきのおやつがもらえる」、「うならないとおいしいものをもらえる」という記憶を強化しているわけです。

人の手とごほうびを強固に結びつける

 犬が「所有物に近づいてくる人の手」に慣れ、徐々にうならなくなったら、ダセのしつけにもトライしてみましょう。これは「口にくわえているものを離す」という行動と「ダセ」という指示語とを結び付けて覚えさせるしつけであり、うなり癖や噛み付く危険性が十分減弱したタイミングでやったほうがうまくいきます。
 また、「人の手が自分にとって気持ちよいものだ」という条件付けを崩さないよう、日頃からおやつを飼い主の手から与えたり、マッサージしてあげることも効果的です。逆に、人の手と不快感をリンクしないよう、決して犬の頭を叩いたりはしないでください。また日ごろから問題行動予防トレーニングを行っていると、再発予防になるでしょう。
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