トップ犬のしつけ方屋外で必要となるしつけ犬を首輪とリードに慣らす

犬を首輪とリードに慣らす

 犬を首輪とリードに慣らすこととは、犬が首輪とリードをしていてもいやがらない状態のことです。散歩の途中で犬にリードをぐいぐい引っ張られると、飼い主が疲れますし、また犬の方も首や胴を締め付けられますので、決して愉快なものでありません。

犬を首輪とリードに慣らすの必要性

首輪とリードは犬を事故や怪我から守るシートベルトのようなもの  犬にとっての首輪とリードとは、ちょうど人間のシートベルトのようなものです。
 散歩中には自動車や自転車、オートバイなどの乗り物が必ず存在します。エンジンやブレーキ、クラクションやベルの音に反応し、道路に飛び出してしまうかもしれません。そんな時首輪とリードをしていれば、不慮の事故に巻き込まれることもないでしょう。首輪とリードはペットを縛(しば)り付ける拘束具(こうそくぐ)ではなく、ペットの命を守る飼い主の愛情の証なのです。また空き地で犬をノーリードで遊ばせていたために他の犬と喧嘩になり、裁判沙汰にまで発展することもありえます(2006年11月・東京都新宿区の事例など)。ですから早い段階で犬を首輪とリードに慣らしておくことが必要となのです。
 では具体的に犬を首輪とリードに慣らすトレーニングを見ていきましょう。
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犬を首輪とリードに慣らす~基本方針

 犬を首輪とリードに慣らすに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動
首輪とリードをつけても嫌がらない
してほしくない行動
首輪とリードをつけると嫌がって取ろうとする
 してほしい行動と快(ごほうび)、してほしくない行動と不快(おしおき)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を強化、 後者を弱化と呼ぶことは犬のしつけの基本理論で述べました。これを踏まえて犬を首輪とリードに慣らせる場合を考えて見ましょう。
強化
「首輪とリードをつけても嫌がらなかった」瞬間に快(賞)を与える
弱化
「首輪とリードをつけたら嫌がって取ろうとした」瞬間に不快(罰)を与える
 犬を首輪とリードに慣らす際は強化の方が効果的です。
 首輪とリードは外出する際は常に着用するものですから、できることなら犬にとって大好きなものにしたいものです。よって首輪とリードを付けても興奮しなかった瞬間にごほうびを与える「正の強化」をメイントレーニングを基本方針としてしつけていきます。
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犬を首輪とリードに慣らす~実践

 基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。まずは犬のしつけの基本理論で述べた大原則、「犬をじらせておくこと」、「一つの刺激と快不快を混在させないこと」、「ごほうびと罰のタイミングを間違えないこと」、「しつけ方針に家族全員が一貫性を持たせること」、を念頭においてください。

しつけの準備

 犬を首輪とリードに慣らすにおいては、以下の2つのことを準備します。

準備1: ごほうびを用意する

 犬をある特定の行動に対して積極的にさせるためには、何らかの快(賞)を与える必要があります。以下は代表的な犬に対するごほうびです。
犬に対するごほうびいろいろ
  • おやつ おやつをごほうびとして使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。与えるときは犬が満腹にならないよう、なるべく少量だけにします。
  • おもちゃ おもちゃを選ぶときは、あらかじめ犬に何種類かのおもちゃを与えておいて一番のお気に入りを確かめておきます。ただし一度与えると回収するのが困難になるため、しつけセッションの最後に与えるようにします。
  • なでる なでるときは軽く「よーし」や「いいこ」や「グッド」などのほめ言葉を決めておき、その言葉と同時に軽く一回なでてあげます。あまり激しく撫で回してしまうのは望ましくありません。第一に犬が興奮しすぎて集中力がなくなりますし、第二になでられることに慣れてしまって「なでる」という行為が犬にとって賞(快を与えるもの)でなくなってしまう危険性があるからです。
  

準備2: 首輪とリードを用意する

 ペットグッズを扱っているお店やネットショップで購入しましょう。また首輪の前にハンカチなどで予行演習する必要がありますので、これも合わせて用意しておきます。 犬のお出かけ・お散歩グッズ

しつけの実践

 犬を首輪とリードに慣らす方法を実践するに当たっては、以下の3ステップに沿って行います。

ステップ1: 首にハンカチなどを巻いてみる

いきなり首輪をつける前に、まずはハンカチなどで予行演習を  いきなり首輪を付けると犬の抵抗感(ていこうかん)が大きいため、まずはハンカチなどで犬の首を触ってみましょう。じっとしていたらすかさず「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。これは「首を触られる」という刺激とごほうびとを結びつける古典的条件付けです。
 犬が触られることに慣れてきたら、今度はハンカチを首に巻きつけてみましょう。じっとしていたらすかさずごほうびを与え、「首に触られるといいことがある」という条件付けを強化します。嫌がるようでしたら無理強いせず、軽く触るところから再スタートします。

ステップ2: 首輪をはめてみる

犬が首輪をはずそうとしたら、次善策として陰性強化を用いる  犬が首に何かを巻かれることに慣れてきたら、今度は実際に首輪を用いてみましょう。まずは首輪で軽く犬の首を触ります。じっとしていたらすかさず「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えまましょう。首輪による接触に慣れてきたら、今度は実際の首輪です。じっとしていたらすかさずごほうびを与え、嫌がったら無理強いせず軽く触るところから再スタートします。
 これは、「首を触られる」こととごほうびの間の古典的条件付けであると同時に、「じっとしていること」とごほうびとの間のオペラント条件付けでもあります。

ステップ3: 首輪にリードを付けてみる

リードをガジガジかじってしまう場合は、ビターアップルなどを利用する  犬が首輪に慣れてきたら、首輪にリードを装着してみましょう。犬がリードをガジガジと噛んでしまうようなら、市販されている噛みつき防止剤(ビターアップル)などをリードに付けておきます。犬はリードを噛んだ瞬間「苦味」という不快が発生しますので、自然とリードを噛む癖がなくなっていきます。要するに「苦味」という味覚的な不快感を利用した正の弱化(刺激を提示することで行動頻度を下げる)です。
しつけをする上での注意  犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。
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犬を首輪とリードに慣らす~実演動画

 以下でご紹介するのは、犬を散歩道具の一種「ハーネス」(胴輪)に慣らせる方法を解説したハウツー動画です。犬の散歩にカラー(首輪)を用いる方は、ハーネスをカラーに置き換えてご覧下さい。
犬をハーネスに慣らす・手順
  • ハーネスへの馴化  まず、ハーネスが犬にとっての脅威ではないことを教えます。これを馴化(じゅんか)と呼びます。馴化を促進するため、ハーネスの上にごほうびを置き、「脅威ではなくむしろごほうびの出てくるステキな道具」という具合に錯覚させることも有効です。 ハーネスが犬にとっての脅威ではないことを教える
  • 首を触られることに慣らす  首に何かが触れている状態に慣らします。犬の首を手(ハンカチ)で触り、じっとしていたらそのたびごとにごほうびをあげましょう。「首に何かが触れる」という中性刺激とごほうびとをリンクさせる古典的条件付けの一種です。 首に何かが触れている状態に慣らす
  • ハーネスで首を触る  ハーネスと首へのタッチに慣れたら、今度はハーネスで首を触ってみましょう。じっとしていたらそのたびごとにごほうびをあげます。このようにして「ハーネス」という中性刺激とごほうびとを犬の頭の中でリンクします。 ハーネスで首を触られることに慣らす
  • ハーネスの中に誘導する  ごほうびをハーネスで邪魔する形でもってみます。犬はごほうびに近づこうと試行錯誤し、そのうちハーネスに頭を突っ込んでくるでしょう。これが「ルアートレーニング」です。犬が自発的にハーネスに頭を通した瞬間にごほうびを与えます。「ハーネスに首を入れる」という行動とごほうびとを学習させるオペラント条件付けの一種です。 ルアートレーニングで自発的にハーネスに首を通すようにもっていく
元動画は⇒こちら
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