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犬の死~別れの仕方から飼い主の心構えまで

 人間でも犬でも、命あるものには終わりが来ます。犬と死別するときの状況は様々ですが、見送り方を誤ると、時に飼い主の心に深い傷を残すこともあります。

犬との別れに備える

 家族として共に暮らしてきた犬が年老いてきました。 犬と人間の年齢換算表で解説したように、犬の世界においては体の大きさによって以下のように「高齢期」と「老齢期」が始まります。 【最新版】犬と人間の年齢換算表(別窓)
犬の体型とシニア期の対応
  • 小型犬=9kg未満高齢=8歳 | 老齢=11歳
  • 中型犬=9~23kg未満高齢=7歳 | 老齢=10歳
  • 大型犬=23~54kg未満高齢=6歳 | 老齢=8歳
  • 超大型犬=54kg以上高齢=4歳 | 老齢=6歳
 犬がシニア期に入ると、犬の老化のサイン一覧リストで並べたようなさまざまな老いの徴候を示すようになります。飼い主は 犬の老化を防ぐ方法を参考にしながら犬の脳や体が衰えるのをなんとかして食い止めようとするでしょう。しかし寄る年波には勝てず、徐々に老犬に多い病気を発症し始めます。飼い主は老犬の痛みを管理する方法を参考にしつつ、犬の生活の質(QOL)が低下しないよう必死に努力します。 死はすべての犬に等しくやってくる  そのようにしてやがて訪れるのが死です。犬の平均寿命は体の大きさによって以下のように大きく変わります。飼い主は犬全体の平均寿命ではなく、体型に応じた平均寿命を参照しておかなければなりません。
体重別・犬の平均寿命
犬は体高と体重が増えれば増えるほど寿命が短くなるという特殊な動物
  • 5kg未満=13.8歳
  • 5~10kg=14.2歳
  • 10~20kg=13.6歳
  • 20~40kg=12.5歳
  • 40kg以上=10.6歳
 またペット保険に加入している犬たちの膨大なデータから、犬種ごとの平均寿命が算出されています。該当犬種がある場合は心の準備をする際の参考になるでしょう。 犬種別の平均寿命一覧リスト(別窓)
寿命を全うできるのは幸せな犬です。中には病気や事故により、平均寿命に達する前に天国に召されてしまう犬たちもいます。
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犬の自然死

このセクションでは犬の自然死について取り上げていきます。  自然死(しぜんし)とは犬の寿命(じゅみょう)に任せる別れ方です。
 病気にかかっている場合は「延命治療をする/しない」という選択肢にも出会うでしょう。また「自宅で看取る/病院で看取る」という別れ場所の選択肢も重要です。近年では老犬を預かって介護してくれる「老犬ホーム」という施設も誕生しています。利用するかどうかは以下のページを参考にしてお考え下さい。 老犬ホームの選び方・完全ガイド  なお、死因が老衰であることがはっきりしている場合は比較的スムーズに見送ることができますが、「突然死」など死因がはっきりしない場合は、ペットロスを悪化させてしまう可能性があります。そんなときのため「死後剖検」という選択肢も頭に入れておいて損はないでしょう。
死後剖検
 「死後剖検」(しごぼうけん)とは、死因を究明するために遺体を細かく検査することです。「病理解剖」、「ネクロプシー」(necropsy)とも呼ばれます。メリットは、「あいまいな死因がはっきりすること」です。逆にデメリットとしては、「死因がよくわからないこともある」、「費用が10万円近くかかる」、「遺体にメスを入れる」などが挙げられます。火葬に付した後では絶対に出来ない検査ですので、死因について釈然としない場合は、担当獣医師と相談の上、専門機関に依頼します。
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犬の安楽死

このセクションでは犬の安楽死について取り上げていきます。  安楽死(あんらくし)とは飼い主の判断でペットの命を絶つ別れ方です。
 経済的、時間的、気力的に犬の介護を続けることができない、苦痛を伴う病気にかかってしまったため1秒でも早く楽にしてあげたい、などがこの別れ方を選ぶ動機(どうき)になることが多いようです。法律上犬を始めとするペットは「生きている物」として扱われるため、安楽死自体が法律に引っかかることはありません。
 安楽死は獣医師との相談のもと行われます。ここで道義(どうぎ)上の善し悪しは論議しませんが、熟考が必要なことは言うまでもありません。なおペットの安楽死に関しては姉妹サイト内で詳しく解説してあります。以下のページをご参照下さい。 安楽死を考えるとき(子猫のへや) ↓NEXT:犬の事故死

犬の事故死

このセクションでは犬の事故死について取り上げていきます。  事故死(じこし)とは文字通り事故によってペットを失う別れ方です。
 不測(ふそく)の事故の場合はどうしようもありませんが、犬をノーリード(首輪やリードをつけないこと)で散歩している途中、走っていく自転車を追いかけて車にひかれて死んでしまった、という場合は、残念ながら飼い主の責任になってしまいます。
 「首輪をしていると苦しそうでかわいそう」という意見をよく耳にしますが、 首輪とリードはペットの命を守る飼い主の愛情の証です。最悪の別れ方をしないように飼い主が責任もってペットを事故から防いであげましょう。 犬の散歩の仕方・完全ガイド
犬の天寿を全うさせるのが飼い主の責務…。肝に銘じておきます。