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9月の犬ニュース

 2014年9月の犬に関するニュースをまとめました。一番上が最新で、下にスクロールするほど記事が古くなります。記事内にリンクが貼られていることもありますが、古い記事の場合はリンク切れの時がありますのでご了承下さい。

9月29日

 東京大学が行った最新の研究により、犬にごほうびを与えてしつけをする際のベストなタイミングが明らかとなりました。
 研究を行ったのは、東京大学医学系研究科の河西春郎(かさい はるお)教授と柳下祥(やぎした しょう)特任助教らのチーム。マウスの脳にある「側坐核」(そくざかく)と呼ばれる快楽中枢において、神経細胞の結合部である「シナプス」、シナプスを興奮させる「グルタミン酸」、そして快楽物質である「ドーパミン」の相互作用が精査されました。その結果、「グルタミン酸がシナプスを活性化した後、0.3~2秒以内にドーパミンが作用しなければ、シナプス頭部の増大が起こらない」ことが確認されたといいます。また同様の手順によって、グルタミン酸刺激の直前や5秒後にドーパミン刺激を与えても、シナプス頭部の増大が起こらなかったとも。このことはつまり、「行動や刺激の直後に報酬を与えなければ、学習がなかなか成立しない」ことを意味しています。
 従来、ドッグトレーニングの分野においては、「犬にごほうびを与える際は、行動や刺激の直後1秒以内に与える」のが鉄則とされてきました。今回の実験は、この古くからの経験則を科学的に実証したものと言えるでしょう。 犬のしつけの基本理論 Source---Science
犬にごほうびを与える際は、行動後の0.3~2秒が生命線

9月27日

 千葉県では、犬や猫といったペットの遺棄や飼育放棄を少しでも減らすため、9月の県議会定例会で「動物愛護管理条例」を可決する見通しです。
 同条例は、5月に公表された骨子案にパブリックコメントなどを反映させて固められたもの。具体的には、マイクロチップの装着が飼い主の努力義務として盛り込まれているほか、猫と犬を合計10匹以上多頭飼いする際は届け出る義務があることなどが明記されています。前者は安易な思い付きによるペットの遺棄を予防すること、後者はアニマルホーディング(無節操な多頭飼い)に起因する騒音問題や公衆衛生の悪化を予防することが狙いです。さらに骨子案では、強化された罰則についても明記。多頭飼いの届け出をしなかった場合は5万円以下の過料、犬を正当な理由なく放し飼いした場合は30万円以下の罰金となりました。
 千葉県の2012年度(2012.4~2013.3)における犬猫の引き取り数は、犬が2,764匹、猫が3,739匹でいずれも全国でワースト3位。つい先日(24日参照)も、飼いきれなくなった老犬がドッグランに遺棄されるなど、県内における飼い主の低いモラルが問題となっています。 Source---読売新聞

9月24日

 千葉県袖ケ浦市にあるテーマパーク「東京ドイツ村」内のドッグランで今月13日、高齢の小型犬が置き去りにされるという事件がありました。
 置き去りにされていたのは、体長約35センチ、体重3.6キロのオスのシーズー。13日午後2時ごろ、園内にあるドッグラン「わんちゃんランド」に置き去りにされているところを利用者が発見し、場内放送で飼い主を捜したものの、結局見つけることができなかったといいます。
 転機が訪れたのは、犬を保護してから5日ほど経った18日のこと。氏名や住所は不明ながらも、飼い主と思われる人物から手紙が届き、中には「名前カール、5月28日生、12歳」と記されていたといいます。さらに犬を飼えない所に引っ越すため、引き取り手を探したが見つからず、保健所へ連れて行く前にドッグランに立ち寄ったこと、および他の犬と遊んでいる姿を見て衝動的に置き去りにしてしまったことなどが謝罪交じりで書かれていたとのこと。
 こうした身勝手な言い分に対しドイツ村は「あまりにも理不尽。ドッグランは捨て場じゃない」と怒りをあらわにしています。置き去りにされたシーズーは、新たな飼い主が見つかるまで当面の間は園内で保護されますが、まるで飼い主の姿を探すかのように、外に出るたびに周囲を見回しているということです。 東京ドイツ村 Source---千葉日報

9月23日

 沖縄県の宮古島市では9月20~26日の動物愛護週間に合わせ、県獣医師会や市が設けている不妊手術の助成金制度を活用するよう呼びかけています。
 宮古福祉保健所によると、2013年度に宮古島市と多良間村で捕獲された犬は合わせて274匹、飼い犬や野犬にかまれてけがをした件数は31件とのこと。また飼い主による犬猫の引き取り依頼に関し、2007年度は22件、2009年度は65件、2012年度は98件、2013年度は113件と、年々増加傾向にあるといいます。さらに去勢・避妊していない犬猫による野良犬・野良猫の増加や、それに伴う咬傷事故、低い狂犬病の予防注射率など、問題は山積です。
 こうした様々な問題を解決する足掛かりとして、県獣医師会や宮古島市では健康な犬や猫合計350頭を対象に、避妊・去勢手術の費用を一部助成する制度を設けています。獣医師会の助成金は犬のオスとメス、および猫のメスが5000円、猫のオスが3000円となっており、募集期間は第1期が9月19日~11月29日、第2期が11月30日~来年1月9日までです。また市の助成金額は、犬のオスが5000円、メスが10000円、猫のオスが2500円、メスが5000円となっており、積極的に活用するよう呼びかけています。 沖縄県獣医師会 宮古島市環境衛生課 Source---宮古毎日新聞

9月19日

 「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」を表彰する「イグノーベル賞」の授賞式が18日、ハーバード大学で行われ、「犬がウンチをするとき地軸に体を合わせる」という研究が「生物学賞」を受賞しました。
 「イグノーベル賞」は、一風変わった研究テーマに対して賞を授与する「ノーベル賞」にちなんだイベント。2014年度は「バナナの皮と靴の間の摩擦」(物理学賞)、「トーストの焦げがキリストに見えてしまう現象」(神経科学賞)、「夜更かしする人の性格傾向」(心理学賞)などと並び、「犬がウンチをするとき地軸に体を合わせる」という研究が「生物学賞」を受賞しました。具体的な内容は、地球の磁場が安定していると、犬はなぜか南北の方角を向いてウンチをするというものです。ちなみに「猫を飼うことによる健康への影響」という研究は、「公衆衛生賞」を受賞しています。 The 2014 Ig Nobel Prize Winners 犬の帰巣本能のメカニズム
体の軸を南北に合わせて排便する犬の様子

9月18日

 環境省は9月20日から26日の動物愛護週間を前に、犬や猫といったペットを迎えるための心得などを記したパンフレット、「無責任飼い主ゼロ宣言!」を公開しました。
 パンフレット内では、犬や猫を飼う前の準備や心得、飼った後の健康や福祉の管理、迷子にしないための注意事項、みだりな繁殖を予防するための不妊手術の重要性などが、イラスト付きで説明されています。また後半では、日本における殺処分の現状が具体的な数字とともに視覚化されており、無責任な飼育が動物たちにどのような悲劇をもたらすかを、一般市民に広く啓蒙する内容となっています。 無責任飼い主ゼロ宣言! Source---環境省
環境省発行のパンフレット「無責任飼い主ゼロ宣言!」

9月17日

 埼玉県のJR武蔵野線「南越谷駅」で16日、視覚障害者の市民団体「ロービジョン友の会アリス」など県内の8団体が、盲導犬や視覚障碍者に対する理解を深めてもらおうと広場でチラシ配りを行いました。
 当活動は、7月に盲導犬「オスカー」が傷つけられた事件を受けて行われたもの。配布されたチラシには、盲導犬を傷つけないことはもちろんのこと、仕事中むやみに話しかけて集中力を切らさないなど、犬と接するときの基本的な心得などが記載されています。 Source---埼玉新聞

9月17日

 イギリスで行われた調査によると、犬や猫を飼っている人のうち、半数以上の人が、ペットの妨害によって睡眠時間を削らていることが判明しました。
 当調査は犬や猫の飼い主1000人を対象に行われたもの。その結果、54%もの人々が、何らかの形でペットに睡眠を妨害されているという事実が明らかになりました。中には最大で一時間半も睡眠時間を削られている人もいるとか。
 妨害手段で多いものとしては、「鳴き声」(47%)、「ドアをひっかく」(28%)、「ベッドに侵入する」(22%)、「噛みつく」(3%)などがあり、その他少数意見としては「トイレ砂をひっかく」、「リビング中を走り回る」、「顔の上に乗っかる」などが挙げられています。

9月12日

 世界一背の高い犬・体高部門において2012年度のギネス記録を持っていた、グレートデンの「ゼウス」(Zeus)が11日未明日、 6歳の誕生日を目前にして短い生涯を終えました。
 アメリカ・ミシガン州に暮らすゼウスの体重は約70キロ、足先から肩までの高さは111.8センチメートル。2012年からギネスブックの「世界一背の高い犬・体高部門」に記載されていましたが、9月11日未明、5歳という短い生涯に幕を下ろしました。ちなみにグレートデンの平均寿命は6~8歳と言われていますので、極端に短命というわけではありません。 ゼウス Source---Mail Online
5歳という短い生涯に幕を下ろしたゼウス

9月12日

 9月11日、イギリスで最大規模を誇る犬の保護施設「Manchester Dogs' Home」において放火とみられる火事があり、50頭近い犬が命を落としました。
 大規模な火災が起こったのは、イギリス・チェシャーにある動物保護施設「Manchester Dogs' Home」で、時間は午後7時過ぎ。火の手はあっという間に建物を包み込み、30人の消防士が駆けつける大騒動となりました。2人の動物愛好家が自分の命も顧みず、150頭以上の犬たちを外に連れ出した一方、50頭近い犬たちが死亡したとのこと。警察は14歳の少年を放火の疑いで拘束し、現在調査を進めているところです。 Source---Mail Online
大規模な火災があった「Manchester Dogs' Home」

9月10日

 一般財団法人「ペットの里」は9月20日、ペット関連施設としては世界最大となる「ペットの里」を岩手県滝沢市にオープンする予定です。
 当施設は、東京オリンピックまでに犬猫殺処分ゼロを目指す「ZERO JAPANプロジェクト」の一環として設立されたもの。運営主体である一般財団法人「ペットの里」を、全国各地で活動しているシェルターや協賛企業がサポートするという体制になっています。敷地面積は約12万坪を誇り、ドイツベルリンにある動物保護施設「ティアハイム」の約2倍という広さ。内部には約1万6千平方メートルの日本最大ドッグランのほか、ペットの保護施設や霊園、ペットと宿泊できる施設を備えており、里親探しのサポートなども実施する予定とのこと。さらに社会的弱者の雇用も促進することで、人とペット双方の幸せに貢献する施設として運営していくということです。 ペットの里
「ZERO JAPANプロジェクト」の一環としてオープン予定の「ペットの里」

9月10日

 中国南西部・雲南省の保山市当局が、狂犬病への感染で5人が死亡したことを受け、市内にいる約4,900匹の犬を緊急殺処分したことが、新華社通信の報道で明らかとなりました。
 狂犬病による死亡者は、7月の1人に8月の4人を加えた合計5人。この事実を受け、市当局は急きょ「狂犬病対策キャンペーン」に乗り出し、犬4,900匹を処分するとともに、10万匹にワクチン接種を行ったとのこと。 Source---CNN

9月8日

 イギリスのチャリティ団体「Dog Trust」の調査によると、2013年度のイギリス国内における迷子犬の総数が111,986頭であることが判明しました。
 「Dog Trust」は犬の保護と里親探しを請け負う慈善団体。2013年度(2013.4月~2014.3月)におけるイギリス全土の迷子犬に関する調査を行ったところ、全体で前年度比約1%減の111,986頭であることが明らかとなりました。また収容された迷子犬の行く末としては、48%近くが飼い主のもとに返還された一方、約8%が殺処分という憂き目に遭ったとも。同調査では併せて、犬を迷子にしてしまった飼い主の72%は、「収容期間が7日間しかない」ということを知らず、また64%は、迷子犬の問い合わせ先をよく知らないという事実が浮き彫りになったといいます。
 動物愛護先進国の代表格として挙げられることの多いイギリスですが、迷子犬の発生要因や殺処分の理由については、規模は違えど、日本と似ているようです。 STRAY DOGS SURVEY 2013 迷子犬の探し方 Source---Mail Online
イギリス国内における迷子犬の年次変化

9月5日

 オレゴン州ポートランドのダヴルイス動物救急病院に、43足もの靴下を飲み込んだグレートデン(3歳)が搬送されました。開腹手術によって異物を取り出し、翌日には無事退院したとのこと。 Source---Mail Online
グレートデンが呑み込んだ靴下の一部

9月5日

 神奈川県動物保護センターに収容されていたミニチュアダックスフントが、受託業者の50代の男性従業員に暴行を受け、死んだ可能性があることが明らかとなりました。
 当事件があったのは平塚市土屋にある神奈川県動物保護センター。4日午前8時半ごろ、県の職員が犬舎の中にいる瀕死の犬を発見し、清掃を担当していた男性従業員に聞き取りを行ったところ、「噛まれて腹が立ったのでたたいてしまった」と答えたそうです。被害に遭ったのは、推定10歳以上のメスのミニチュアダックスフント。持病であるヘルニアを理由に、元の飼い主から飼育放棄されたという経歴の持ち主です。直径約1センチの金属の棒で、頭部や腹部を複数回叩かれたこの犬は、最終的には息を引き取りました。県の相談を受けた県警平塚署は現在、動物愛護法違反の疑いで調べを進めています。
 ちなみに以下は、神奈川県動物保護センターが発表した公式な報告書の一部です。
 事件を起こした当事者は、即日、業務から外し、今後も当所の業務を行うことがないよう対応しました。受託業者の従事者も含めた当所に従事するすべての職員に対して、動物愛護意識や動物の適切な取り扱いについて、あらためて徹底を図り、今後、二度とこのような事件が起きないように努めていきます。
神奈川県動物保護センター Source---産経ニュース

9月3日

 アフガニスタンで手ひどい虐待を受けながらも、人間に対する愛情を失わなかった犬の半生を描いた本、「ワイリー:決してあきらめなかった犬」(洋書)が9月11日に発売されることとなりました。
 アフガニスタン南部の都市・カンダハールにおいて、たまたま通りがかったイギリスの護衛兵が、棒切れで殴られている犬を見つけたのは2011年のことでした。危ういところを救出されたこの犬はその後、軍の基地で応急処置を受け、再びストリートへと戻されました。しかし数日後、今度は胸を刺され、耳や尻尾を切り落とされた状態で発見されたといいます。この時の容態はひどく、治療にあたった獣医師も「もうだめだろう」と諦めるほどだったそうです。
 こうした犬の窮状を知り、見るに見かねて救出に当たったのが、現地で活動する動物保護団体「NOWZAD」でした。数か月後、イギリスへと飛んだ「ワイリー」(Wylie)は7ヶ月間の検疫期間を終え、「NOWZAD」のメンバーであるサラ・シングルトンさんの元へ迎えられました。彼はひどい虐待を受けていたにもかかわらず、人に対する信頼を失わず、自分を痛めつけたはずの男性に対してさえも愛嬌を振りまいたといいます。人を引き付ける能力に関しては天賦の才があったようで、地元ヨーヴィル市長のガーデンパーティに招待されたほか、2014年度、クラフツで開催されたドッグショーの「モングレル」(雑種部門)では、優勝を果たすほどの活躍を見せました。
 このように天国と地獄を味わったワイリーの半生を描いた本「ワイリー:決してあきらめなかった犬」(原題:Wylie: The Brave Street Dog Who Never Gave Up)が9月11日に発売されることとなりました。執筆したのは「NOWZAD」の設立者で、ワイリーを救った張本人でもあるペン・ファザリング氏。本の中では、ワイリーの生い立ちのほか、今もなお狂犬病の危険性があるため、欧米諸国のように犬を愛玩するという文化がないアフガニスタンの現状についても描かれています。売り上げの一部は「NOWZAD」の活動資金に充てられるとのこと。 Wylie: The Brave Street Dog Who Never Gave Up Source---MailOnline
アフガニスタンで手ひどい虐待を受けながらも、人間に対する愛情を失わなかった犬「ワイリー」

9月1日

 茨城県の獣医師会では、犬猫殺処分減少のため、従来の「マイクロチップ装着」に加え、9月から「避妊・去勢手術」に対する助成制度を開始しました。
 茨城県における犬の殺処分数は、2012年度まで8年連続で全国ワースト1位を記録するという惨状。2013年度(2013.4~2014.3月)におけるデータは、犬が2,158匹、猫が2,773匹と共に過去最少を記録したものの、目標としている「殺処分ゼロ」からすると大きくかけ離れているのが現状です。
 これを見かねた県の獣医師会は今年の7月より、先着1000匹についてマイクロチップのデータ登録料1000円の助成を始めました。さらに9月からは、避妊・去勢手術で4000円、そして同時にチップを埋める場合はさらに2000円を助成するという制度を開始し、迷子や無計画な繁殖に起因する殺処分数を減らすための活動に力を入れています。問い合わせは、茨城県獣医師会まで。 公益社団法人・茨城県獣医師会 Source---読売新聞