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Q10 ペットを人に預けることになりました。トラブルが発生したときの責任問題について教えてください

ANSWER
有料無料を問わず、ペット(法的には「物」)を預けることは「寄託契約」(民法657以下)に相当します。
【 お金を払って預ける場合〜 有償寄託 】
お金をもらった上で預かった人には、善良なる管理者の注意義務(民法400条)が発生します。これは預かった側の資質や能力とは無関係に、その職業や社会的地位などに応じて通常期待されるレベルの注意義務のことです(恐ろしく抽象的ですが)。簡単に言うと、預かった人が通常期待されて当然なレベルの注意を怠ったために発生したトラブルに関しては、預かった側が責任を取らねばならないということです(例えば犬を預かったのに餌を与えないで、免疫力が低下して犬が病気になった、など)。これは「寄託契約違反」として扱われます。
【 お金を払わずに預ける場合〜 無償寄託 】
お金をもらわずにタダで預かった人には、自己の財産におけると同一の注意義務が発生します。これは預かった側の資質や能力に応じた注意義務のことです。何らかのトラブルが発生しても、預かった側ができうる範囲で精一杯注意していたと判断される場合は責任を免れます(例えば犬を預かったのに餌を与えないで免疫力が低下して犬が病気になっても、預かった人にお金がなく、自分自身も何も食べていなかった、という場合など)。
ただし、ペットショップや動物病院などがサービスの一環として無償でペットを預かってくれる場合は違います。この場合は商法593条により、「商人が営業の範囲内で寄託を受けた場合は、善良なる管理者の注意義務を負う」ことになっています。「どうせタダなんだから適当にやろうか」という論理は通用しません。

なお預ける側にも以下に述べるような責任が発生します。
・餌代などの必要経費は飼い主が負担する(民法665条、650条)
・費用を後払いする場合は、年5%の利息もつけて支払う義務がある
・前払いを要求された場合は応じる義務がある(民法665条、649条)
・預けたペットが預かった人に何らかの損害を与えた場合はその責任を取る(カーテンをやぶいた、赤ちゃんにかみついた、など。ただし預かった側の明らかな不注意が原因のときはその限りではありません)