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 かわいい子犬が見てみたいから・・・、 メス犬として生まれたのなら「出産」という一大イベントを経験させてあげたいから・・・、 暇だから・・・、といった感傷的で自己満足的な目的での繁殖は推奨しません。
 もらい手の見つからない犬は、動物愛護センターや保健所、 もしくは上記した安易な感覚で繁殖をした飼い主が、 新しい飼い主を募集しているサイト等の中にたくさんいます。わざわざあなたがもらい手のいない犬を増やす必要はありません。
  もしあなたが子犬を見てキャーキャー騒ぐだけの乙女チックな犬好きではなく、本当の意味での愛犬家であるならば、 まずは保健所や動物愛護センターで殺処分を控えている犬を、一匹でも減らすことを考えてみてはいかがでしょうか?


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犬の交配犬の妊娠犬の出産産後の母犬のケア

犬の交配

自分のペットの子を見てみたいと思うのは飼い主として当然の感情です。 時間的、経済的に確かな余裕があり、生まれた子犬の引き取り手が確実に存在している場合に限り、 犬の繁殖を考慮してもいいでしょう。

犬の発情周期を知る
通常、生後7ヶ月を過ぎた雌犬には発情期が来るようになり(中・大型犬の場合は8ヶ月以降)、発情周期は6ヶ月に1度(1年に2度)が平均です。一方雄犬には明確な発情周期がなく、生後11ヶ月を過ぎたら1年中交尾が可能な状態になります。


上記した「発情期」は、さらに以下のように細分できます。
発情前期〜約11日間
体内でホルモン濃度が上がり始める時期です。尿の頻度が多くなり、自分の性器周辺を良くなめるようなしぐさを見せます(写真左端)。また外陰部が肥大して出血が見られるようになるのが特徴です。出血量にはばらつきがあり、多い場合は生理帯が必要となるほど出血しますが(写真中央)、少ない場合は全く出血の見られないこともあります。継続期間は平均して約11日です。この時期の雌犬は性器から特殊な匂いを発しており、雄犬はその匂いでメス犬が発情していることを知ります。ですからこの時期の雌犬を屋外やドッグランにに連れ出すと出会う雄犬が皆興奮してしまいますのでなるべく外出は控えるようにします(写真右端)。
発情期〜7-12日間
雌犬の心と体が準備万端で、実際に雄犬を受け入れることのできる期間です。尻尾に触れると、反射的に斜めに上げて自分の性器を見せるようになります(写真右)。発情期に入って2〜3日後(出血から数えて13〜14日目)に排卵されることが多いため、その前後2日くらいが最も妊娠しやすい交尾期間(出血から11〜16日)ということになります。
排卵された卵子は約5日間受精可能な状態が続き、雄の精子は雌の体内で約7日間生き続けます。
発情後期〜約60日間
排卵が終わり、発情期に見られた心と体の変化が元に戻る時期です。この時期には妊娠の有無にかかわらず黄体ホルモンが出ており、子宮内膜の増殖して乳が張ってきます。期間はおおむね妊娠期間と同じだけ続きます(約2ヶ月)。また発情後期の後半からプロラクチンというホルモンが増加することにより、「偽妊娠」という行動を示すことがあります。具体的にはお乳が張り・乳汁も分泌され・巣作り(営巣行動)、人形や小動物を我が子のように扱うなどの行動も見られるようになります(写真右)。
以後は発情休止期に入り、次の発情期が始まるまで雄犬に対して格別な興味を示さなくなります。この時期が約90日間です。
交配に最適の時期を決める
自分の飼い犬に出産をさせようと決めたら、まず健康診断を受けて寄生虫、遺伝病、その他の病気がないことを確認します。そして雌犬の発情サイクルを把握する必要がありますが、出血がある場合はともかく、出血がない場合はスメアー検査(膣垢検査)をしておくと比較的確実に排卵日を推定できます。
交配相手の雄犬を探す
身近に交配相手となる雄犬がいる場合、料金は掛かりません。ただし雄犬も雌犬も初めての交配の場合はうまくいかないことがありますので飼い主の側で何らかの補助をする必要があります。
相手が見つからない場合や、なるべく失敗せずに交配を済ませたい場合は有料で「種雄」を探す必要があります。問合せ先はペットショップ、かかりつけの獣医師、ブリーダー、所属している犬種団体などです。身近な犬と交配させるにしても種雄と交配させるとしても、以下の点に注意しておくと後々後悔することは少なくなるでしょう。
  • 遺伝的疾患の有無
  • 性格(人なつこい・縄張り意識が強い・独立心が強い・もの覚えがいい、など)
  • 容姿(歯並び・足のラインなど)
  • 遺伝子の相性(毛色によって相性の悪い掛け合わせがあるので要注意)
交配前の準備
雌犬の発情サイクルにあわせて交配日を決めます。有料の「種雄」と交配する場合はそれまでに料金等について詳細を詰めておきましょう。最低限以下の点は取り決めが必要です。
交配料金
交配料金は相場がありませんので一概に言えませんが、ドッグショーのチャンピオンとなった犬の交配料金は高くなる傾向にあります。 また現金で支払う場合もあれば、生まれた子供の一匹を雄犬の飼い主に交配料として支払う「子返し」というスタイルも慣習としてあります(子返しの場合でも「卵代」という名目で5000円ほど雄犬側に支払うのが慣例です)ので、 事前に取り決めておきましょう。
死産や流産だった場合
交配料金が「子返し」で、死産や流産だった場合は支払いようがありません。その場合現金払いにしてあくまで料金は発生するのか、それとも交配料金は支払わなくて良いのか、相手方と事前に取り決めておきましょう。
一匹しか生まれなかった場合
死産や流産だった場合と同様、一匹しか生まれなかった場合も「子返し」では支払いようがありません。生まれた一匹をどうしても返さなければいけないのか、それとも現金で交配料金を支払うのか相手方と事前に取り決めておきましょう。また相手側が希望する性別の子犬が生まれなかったときも同様です。
交配証明の発行
生まれた子犬を血統登録しようと考えている場合は、雄犬の飼い主から「交配証明書」を発行してもらう必要があります。この証書がないと血統書の作成ができませんので忘れずに依頼しておきましょう
雌犬の準備
交配予定日は絶食し、排便排尿を済ませておきます。また長毛種であれば肛門周辺の余分な被毛はカットしておくのがマナーです。飼い主が雌犬を押さえつけておく状況もあるため、口輪なども用意しましょう。
雌犬の滞在費用
通常、交配を行う場合は雌犬を雄犬の家に預けて行うのが普通です。その場合予定通りに交配が行われるとは限りませんので2〜3日の余分な宿泊が必要となります。その際に発生する宿泊費や管理費は通常雌犬側が持ちます。おおよその費用を概算し、支払い等について相手側と相談しておきましょう。
犬の交尾
交尾前の雄犬と雌犬は、まず互いにじゃれつくようなしぐさをみせます。そして互いの臭いを嗅いだり舐めたりする行動の後、雌犬は立ったまま静止し、尾を左右どちらかにずらして準備が出来た事を雄犬に知らせます。雌犬の準備完了を見た雄犬は通常、あごを雌犬の背に乗せ、 前足で雌犬の下半身を抱え込むようにしながらマウンティングを行います(写真右)。その後雄犬は、腰を突き出すようにして膣内にペニスを挿入し、腰の前後運動と後ろ足での足踏み運動を行います。 この一連の動きによって雄は亀頭球(下図参照〜尿道球腺が膨らんで通称「亀頭球」を形成する。膣内でペニスをロックする働きがある)を雌犬の子宮付近に固定すると同時に大部分の精子を放出します。
この段階ではペニスが膣内でロックされた状況にあるため、無理に雌が逃げようとしたり飼い主が無理矢理リードを引っ張ってしまうと、怪我をしてしまう場合がありますので注意が必要です。
その後は通常、雄犬が体を180度回転させ、互いに背を向け合ったまま5〜45分ほど繋がった状態をキープします(写真右下)。 この段階では、残った精子や精子の流れを助ける前立腺液を放出していると考えられています。
交尾後の雄犬と雌犬は、自分の体を舐めて綺麗にし、通常は互いに性的な関心を失いますが、そのまま犬を一緒に置いて放置した場合、1日に5回程度の交尾が繰り返される事もあります。
雄犬も雌犬も特定の相手を好む傾向があり、共に暮らしている犬や小さな頃からなじみのあるいわゆる”おさななじみ”の犬しか受け付けぬ雌もいるようです。一般的には雌犬はぎこちない未経験の雄よりも、経験豊かな雄を好む傾向があります。

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犬の妊娠
 
犬の場合、交尾によって精子が卵子にたどり着き無事に受精が完了しても、受精卵が母胎の胎盤に着床するまでに更に3週間かかります。従って交配日から数えておおよそ18〜24日目に妊娠期がスタートします。この約3週間は母犬にとって流産しやすい不安定な期間ですので、他の犬との激しい遊び、階段の上り下り、ジャンプを要する運動、狭い場所をくぐるような動き(おなかを地面にこするので)、入浴(滑って転ぶ危険性があるので)等は極力控えるようにします。

妊娠期〜約2ヶ月
妊娠前期〜約3週間
妊娠前期の兆候としては、味覚の変化(今までの餌を受け付けなくなったり、全く違った食材に好みが変化するなど)、食欲の不振、時として嘔吐などの症状が見られることがあります。
妊娠中期〜約3週間
妊娠中期の兆候としては、乳腺が張ってきておなかも膨らんできます。また非活動的になり、気分が落ち込んだように見えることもあります。
妊娠後期〜約3週間
妊娠後期の兆候としては、おなかを触ると胎児の胎動を感じることができるようになります。乳腺、おなかともにパンパンに張った状態になります。
妊娠期における母犬の栄養
妊娠期間中の母犬の栄養状態は生まれてくる子犬たちの健康に多大なる影響を及ぼします。下記表を目安に母犬の食事をアレンジしましょう。また生後3〜8週にかけて子犬に乳歯が生え、いわゆる「乳離れ」が起こります。この約1月半の期間を利用して徐々に母犬の食事を減らし、妊娠前の分量に近づけていきます。妊娠前後の母犬の栄養
時期 摂取カロリー 食事の回数
交配前後 必要カロリー数を満たす 2回
妊娠期30日〜 妊娠前より20%増 3回
妊娠期50日〜 妊娠前より50%増 3〜4回
出産して10日〜 妊娠前の2倍 3〜4回
出産して20日〜 妊娠前の3倍 3〜4回
妊娠期における母犬の運動
妊娠期間中も適度な運動は必要です。分娩に必要な体力を維持し、難産になるのを防ぐ役割があります。ただしおなかが大きくなってきたら会談など高低差のある場所や狭い場所に近づけるのは控えましょう。また激しい運動も控えます。
妊娠期における母犬の手入れ
ブラッシングは小まめに行うようにします。こうすることで全身の血行を良くし、常に母体を清潔に保つことができます。入浴は出産予定日の一週間前までなら構いませんが、それ以後は控えるようにします。また子犬をなめる口元、乳房のある胸から腹にかけて、子犬を出産する肛門周辺の被毛は短くカットしておくと衛生的です。

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犬の出産
 
妊娠後期(交配日から数えて42日以降)に入り、床を引っかくような行動(営巣行動)や落ち着きなくうろうろするなどの行動が見られたら、いよいよ出産が近いというサインです。飼い主は以下のことに注意します。

産箱の用意をする
床を引っかくような営巣行動が頻繁に見られるようになったら「産箱」を用意します。狼が出産するときは外敵から見つからない場所に穴を掘り、その中で出産します。犬も同様に外敵から見つかりにくい遮蔽された空間を本能的に求めるようになります。穴を掘る行動に相当するのが前述した「営巣行動」であり、外敵から身を隠す穴に相当するのが「産箱」という訳です。産箱は市販されているものもありますが、ダンボールで作っても構いません。以下は産箱を設置する際の注意点です。

@囲いについて
遮蔽する板です。母犬が安心するようになるべく外から見えないように囲います。素材は板、ダンボールなどです。
A出入り口について
母犬が通れるように通路を設けてあげます。床に近い部分には生まれた子犬が飛び出さないように仕切りをつけておくと良いでしょう。
Bサークル(普段生活している場所)について
産箱は特殊な場所ではなく普段生活しているサークルの近くで結構です。その方が母犬も安心できます。
C産箱の中について
産箱の中はタオルケットや短冊状に切った新聞紙(わらの代わりとして)、もしくは丸めた新聞紙を敷き詰めます。新聞紙なら汚れても幾らでも交換できますので便利です。また寒い季節や気温の低い日のためにタオルケットや新聞紙の下にペットヒーター(写真右)を入れておきましょう。生まれたての子犬は体温調整ができず、生後30日頃になってようやく36℃になる程度です。子犬が凍えないようにペットヒーターがあったほうが無難でしょう。
出産の兆候を読み取る
産箱の用意もできて後は出産を待つばかりです。交配日から数えて60日頃になり、実際の分娩が近づくと母犬は以下のような兆候を見せます。
  • 営巣行動がより頻繁になる
  • 落ち着きがなく常にうろうろする
  • 呼吸がいつもより荒く激しくなる
  • 体温が低下する(37.5℃)
  • 食べ物を受け付けなくなる
  • 排尿・排便が多くなる
以上のような兆候が見られたら分娩が近い証拠ですので、飼い主は交配から60日頃には特に注意して母犬を観察していなければなりません(1日2回ある満潮時に分娩に入る確率が高いという説もありますので、念のため満潮の時間を調べておくのも参考になるでしょう)。
65日になっても分娩に入らない場合は「遅産」といって、子犬の数が少なく母犬のおなかの中で大きくなりすぎて難産になる危険性がありますので、かかりつけの獣医師にご相談下さい。
出産に立ち会う
出産兆候が見られたら、いよいよ分娩です。母犬は陣痛に耐えながら両足を踏ん張るようにしていきみます。小型犬の場合は横になった状態で2〜3匹、中・大型犬の場合は排便するような格好で6〜10匹ほど出産するのが一般的です。子犬は羊膜に包まれてテカテカした状態で生まれてきます(写真左端)。通常であれば母犬がこの羊膜を破ってへその緒を噛み切り、子犬の体や鼻先をなめて呼吸を促します(写真中央)。その後、子犬を自分の乳に近づけて授乳する(写真右端)のが正常です。しかし何らかの理由でこうした正常な母犬としての本能的な保育行動を取らない犬もいますので、そのときは飼い主の補助が必要です(下記項目参照)。
また分娩しようといきんでいるにも関わらず、1時間以上子犬が出てこない場合は、早急にかかりつけの獣医師にご連絡下さい。
通常は第一子を産んでからしばらく時間を置いて第二子の陣痛が始まりますが、この時分娩の邪魔にならないように子犬を取り上げます。ついでに性別や体重を記録しましょう。
母犬が子犬の世話をしないときの補助
通常母犬が行う行動を人間が肩代わりする必要があります。
羊膜を破ってへその緒を噛み切る
飼い主が羊膜を手で破り、へその緒を鋏で切ってあげます。へその緒は根元から2cmほどの部分を糸で結わえ、 そこからやや離れた部分を切り取ります(ちょうどソーセージのような感じ)。
全身をなめて呼吸を促す
柔らかい乾いたタオルで全身を優しく拭いてきれいにします。また鼻や口にたまっている羊水を口で吸い出してあげましょう。 子犬が「キーキー」と高い声で鳴き出したら呼吸が始まった証拠です。この段階で母犬の乳に近づけてみましょう。母犬が授乳を拒否するようであれば授乳も飼い主の側で行います。
授乳する
市販されている子犬用のミルクを与えます。普通の牛乳や人間の赤ちゃん用粉ミルクでは子犬に必要な栄養素が足りませんので必ず犬用粉ミルクを使用します(下記成分表参照)。子犬用の哺乳瓶と、万が一子犬が哺乳瓶での授乳を受け付けないときのために授乳専用スポイトを用意しておきましょう。また飼い主による人工授乳は、母犬の母乳の出が悪くなった場合も行いますので必修です。 各種ミルクの成分表(水分5%の時の比較)
成分(%) 犬用粉ミルク 犬の母乳 人の母乳 人用粉ミルク
炭水化物 16.5 16.9 57.2 58.0
タンパク質 34.0 33.8 11.3 12.6
脂質 39.0 38.8 25.8 22.3
犬の日齢と1日に必要なミルクの標準給与量、及び分割回数
犬の体型 生後1〜5日 生後6〜10日 生後11〜15日 生後16〜20日
超小型犬 5g 10g 12.5g 15g
小型犬 12.5g 15g 17.5g 7.5g
中型犬 17.5g 25g 32.5g 42.5g
大型犬 20g 35g 50g 65g
超大型犬 25g 47.5g 60g 77.5g
分割回数 8回に分けて 6回に分けて 4回に分けて 4回に分けて

上記した犬の体型は以下で示す成犬時の体重で分類します。
・超小型犬= 1.0〜4.5kg
・小型犬=4.5〜13.5kg
・中型犬=13.5〜27.0kg
・大型犬=27.0〜46.0kg
・超大型犬=46.0〜90.0kg

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産後の母犬のケア
 
出産の終わった母犬は子犬たちをなめながら授乳しますので、 しばらくは子犬たちのそばを離れたがらないのが普通です。しかし子犬たちがおなか一杯になり、ある程度落ち着いてきたら排泄をさせて 軽い散歩に連れ出してやりましょう。この散歩は5〜10分ぐらいで構いません。母犬をリラックスさせると同時に、歩くことで全身の血行を促し、 母乳の出をよくする効果もあります。出産から10日くらいまでは10分程度の軽い散歩で結構です。 適度な運動は産後の子宮を収縮させる上で重要ですので欠かさないようにしましょう。 犬の繁殖トップへ