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ピンチ・居場所・意図がわかる犬~わかってくれると思った!

 ペットと人との間で交わされるテレパシーの具体例としては、「遠くにいる飼い主の帰宅を予知する」というものが有名です。しかしその他にも「遠く離れた飼い主のピンチを犬が悟った」、「わかるはずのない飼い主の居場所がわかった」、「飼い主の意図が以心伝心で伝わった」という事例も数多く存在しています。

飼い主のピンチを知る犬

 においや音などのヒントをとらえることができないくらい遠くに離れているのに、なぜか飼い主のピンチを悟り、何らかの反応を見せる犬がいます。 ルパート・シェルドレイク著「あなたの帰りがわかる犬」(工作舎)・ 第6章「遠くの災難への反応」(P144-)
飼い主のピンチを知る犬の事例
  • ヒルデ・アルブレヒトさんドイツ・リンバッハに住むアルブレヒトさん宅の飼い犬が、突如狂ったように走り回り、玄関の扉に向かって飛び跳ねだした。そうしているうちに主人が帰宅したが、なんと主人は飲み屋でけんかをしてひどい怪我を負っていた。犬が落ち着きを失ったのは、ちょうど主人がけんかをしている最中だった。
  • デービッド・スウィニーさん兵役に付くデービッドさんが南イングランドにある兵舎に列車で戻った日、夜遅くになって飼い犬のタラが突然鼻を鳴らし激しく震えだした。母親であるマーガレットさんが鎮静剤などを与えて落ち着かせようとしているうちに電話が鳴り、デービッドさんが130キロ離れたタムワース地区で電車から転落したとの連絡を受ける。タラがそわそわしだしたのはちょうどデービッドさんが事故にあった時間帯であり、また電話で命に別状がないことを告げられると、それに呼応するかのようにタラが落ち着きを取り戻して眠りに付いた。
  • シェルドレイク氏本人ルパート・シェルドレイク氏は隣に住む友人の愛犬・ラグルズを学校の中間休暇の間だけ預かることになった。ある朝、11時半に散歩から戻ったラグルズは、なぜか玄関に居座り、かたくなにそこから動こうとしなかった。午後になってイタリアで休暇中の友人から電話が入ったが、それは友人の息子であるティモシーがスキーリフトから落ちて足を骨折したという連絡だった。調べてみると、彼が転落したのはちょうど11時頃であり、どういうわけかラグルズも片方の足を引きずっていた。
  • ウォルター・ベリーさん北アイルランドに住むウォルターさんの妻ジョアンさんと飼い犬のクリッシーが一緒にいるとき、突如クリッシーが絶叫しながら暴れだした。尋常ではない様子から変事を悟ったジョアンさんがクリッシーを放すと、犬は中庭を越えて180メートル離れた場所に向かって一目散で駆けていった。そこには車を修理している最中の不注意で体に引火してしまい、火だるま寸前のウォルターさんの姿があったが、間一髪のところで一命を取り留めた。
  • レオーネ・カタフィアツさんサンフランシスコに住むカタフィアツさんは飼い犬を60キロ離れたサンホセにある友人宅へ預けていた。ある日、犬のルーペが突然敷地の端へ走っていき、一心不乱に吠え出した。虫の知らせを感じた友人がサンフランシスコのカタフィアツさん宅を訪れると、そこには薬の過剰服用で生死の境をさまよう家主の姿があった。
  • アイリス・ホールさんイギリス・オックスフォード州に住むホール家ではウェストハイランド・ホワイトテリアを飼っており、特に息子とは大の仲良しだった。1982年の4月、海軍に所属する息子がコベントリー丸に乗船してフォークランドへと派遣された。同年5月25日の早朝、犬が母親であるアイリスさんの膝に飛び乗り、激しく震えながら鳴き出した。小一時間ほどその状態が続き、さすがにおかしいと思っていたら、朝のニュースでコベントリー丸沈没のニュースを聞く。息子は行方不明者となり、犬もやせ衰えて数ヶ月後に死んでしまった。

飼い主の居場所がわかる犬

 遠く離れた場所から自分の家に戻るという「帰巣」事例はよく耳にしますが、遠く離れた飼い主の元に突然姿を現すというパターンもあるようです。一度も行ったことのない土地の地理状況を正確に把握するメカニズムは不明で、やはりテレパシーの一種なのかもしれません。 ルパート・シェルドレイク著「あなたの帰りがわかる犬」(工作舎)・ 第13章「遠方にいる飼い主を見つけるペット」(P286-)
飼い主の居場所がわかる犬の事例
  • ジェイムズ・ブラウンさんロンドン・ハンマースミスに暮らすジェイムズ・ブラウンさんは第一次大戦時、兵卒としてフランスに派遣された。飼い犬のプリンスというアイリッシュテリアは悲しみにくれたが、主人が派兵されて数日後、忽然と姿を消す。それから数週間後、プリンスはフランスのアルマンティエールに現れ、塹壕(ざんごう)にいた主人と無事再会を果たした。
  • パトリシア・バークさんスカイ島の農園で働くバークさんは、愛犬のテリアを農園に残し、10キロほど離れたポートリーに車で赴いた。ある朝、ポートリーの作業場の外に座っている愛犬を見つけたが、不思議なことに犬をその仕事場へ連れてきたことはなかった。
  • ヴィクター・シャクルトンさんチェシアに住むシャクルトンさんは引越しに際し、グレイハウンドのジョニーを手放すことになった。ジョニーを列車に乗せて新しい飼い主の元に届け、そこから5キロほど離れたパブで1杯やっていると、突然パブの入り口が荒々しく開け放たれ、ジョニーが姿を現した。
  • アルフレッド・コレフ博士ウィーンに住むコレフ博士と妻は、2匹のダックスフントを家政婦に預けて外出した。翌朝、コレフ博士だけが家政婦の家を訪れて犬たちを受け取り、家路に着いた。ところが犬たちは家に帰ろうとせず、博士を引っ張ってどこかへ行こうとする。引かれるままについていくととある居住区にたどりつき、一軒の家の前に到着したが、なんとそこは博士の妻がいる場所だった。
  • ドーレン一家イリノイ州に住むドーレン一家はイリノイ州オローラ市から300キロほど離れたイーストランシングへ引っ越した。そのさい雑種犬のトニーを置き去りにしたが、6週間後、トニーがイーストランシングに現れた。

飼い主の意図を悟る犬

 「以心伝心」という言葉がありますが、これは人間同士だけではなく、飼い主とペットとの間でも経験されることがあるようです。 ルパート・シェルドレイク著「あなたの帰りがわかる犬」(工作舎)・ 第7章「意図をつかむこと」(P162-)
飼い主の意図を悟る犬の事例
  • R・ケラードさん(ノーサンプトンシャー州)仕事が終わったら散歩に連れて行こう、と考えた瞬間に、愛犬のジグビィが身を起こし、ケラーさんのそばから離れない。散歩に連れて行ってもらうことを期待しているようだ。
  • リリアン・ホシェットさん(ルクセンブルグ)庭や窓越し、ドアの向こうなど、アイコンタクトや他のしぐさが伝わらないような環境に犬がいても、「散歩に行こう」と考えた途端、愛犬のジニーがはしゃぎだす。
  • メアリー・ロズウェルさん(ノッティンガム)編み物をしていたり料理をしている最中でも、「犬を散歩に連れて行こう」と考えた瞬間、ダックスフントたちが足元に来て尻尾を降り始める。
  • ジャン・フェンネルさん(リンカーンシャー州)動物学者であるフェンネルさんは、自分の意図が6匹の飼い犬に伝わるかどうかの実験を行った。内容は、フェンネルさんから発せられる何らかの感情情報(表情や声のトーンなど)が犬たちに伝わらないよう、離れた部屋に閉じ込めて定点カメラで撮影するというものだった。無作為に選択した時間に散歩に連れて行くという実験を行ったところ、計5回行ったテストのうち4回において、犬たちは出入り口に近づいたり、尻尾を振るなど、何かを期待するようなそぶりを見せた。比較検討として、散歩に連れ出す意図を持たずに離れ部屋を訪れるという実験もあわせて行ったが、その場合、扉が開く前に犬たちが期待行動を見せることはなかった。
  • メアリー・バーデットさん(アイルランド)家族が休暇でしばらく家を空けることになると、実際に出かける3~4日前、荷造りを始める前から犬が悲しそうな顔をしてうろうろする。
  • フランク・ブランレーさん(シュロップシャー州)ジャーマンシェパードのマキシは「ソーセージ」、「ビスケット」などの言葉をブランレーさんが心に思い浮かべるだけで、たとえ庭にいてもドアが閉まっていても姿を現す。