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チャンス

 トルネードの9日後、自力で飼い主の車を見つけ出した犬「チャンス」について解説します。

チャンスとは?

 チャンス(Chance)は、トルネードの9日後、自力で飼い主の車を見つけ出した犬。
ダンとパム夫妻に可愛がられていたゴールデンレトリバーのチャンス  アイオワ州北部に暮らすダンとパムのブリーカー夫妻は、2頭の犬を飼っていました。ラブラドールレトリバーの「チャンス」と、ロットワイラーミックスの「バディ」です。2002年に結婚した夫妻は、高速道路沿いの家に移り住み、犬たちと幸せに暮らしていました。
 しかしそんな生活が、2008年5月25日に発生したトルネードによって破壊されます。「EF5」と呼ばれる最高レベルの破壊力を持ったこのトルネードはアイオワ州パーカーズバーグを直撃し、数多くの家屋を破壊するとともに、多くの人命も奪い去りました。
 ブリーカー夫妻も例外ではありません。パムは足に怪我を負い、ダンは母親を亡くしました。またそれだけではなく、ガレージにいたはずの2頭の犬までもが、トルネードが去った後、二人の前から忽然と姿を消してしまったのです。夫妻は意気消沈しましたが、瓦礫の撤去やガス管の修理などに忙殺され、犬の捜索までは手が回りませんでした。
チャンスはなぜか、数多くある廃車の中から、夫妻が所有していた白のポンティアックを見つけ出した  ほぼ全てを失ってしまった夫妻の元に保険会社から電話がかかってきたのは、トルネードの発生から9日後のことでした。話によると、消防署に集められた廃車の中に、黄色い犬が陣取っているとのこと。一縷(いちる)の望みを胸に現場に駆けつけた夫妻は、顔に擦り傷を負い、すっかりやつれたチャンスの姿を見つけます。彼はたくさんある車の中から、どうにかして夫妻の白いポンティアックを見つけ出し、その中にもぐりこんでいたのです。
 チャンスは夫妻が到着するまで「てこ」でも動こうとしませんでしたが、ダンさんの姿を見つけるやはしゃぎまわり、自分から車の外に飛び出したといいます。ダンさんは「どういう経緯で名づけたのかは忘れてしまったが、チャンスとは実にいい名前だ」と語っています。 KWWL.com DesMoinesRegister.com

チャンスの写真

 以下でご紹介するのは、トルネードの9日後、自力で飼い主の車を見つけ出した犬「チャンス」の写真です。 9日間で5キログラムほど体重が落ちてしまったチャンス
 嵐から1週間後、ブリーカー夫妻の自宅から数十メートル離れた廃車置場を、チャンスは自力で見つけた。しかしチャンスの相棒である「バディ」の行方は、結局わからずじまいとなった。写真の出典はこちら