トップ有名な犬一覧忠犬として有名な犬カネロ

カネロ

 主人の帰りを12年間待ち続けたスペインの忠犬「カネロ」について解説します。

カネロとは?

 カネロ(Canelo)は、病院内で死んだ飼い主を、ドアの前で12年間待ち続けた忠犬。
飼い主の男性と散歩に出かけるのが日課だったカネロ  スペイン南西部の都市カディズに暮らす雑種犬カネロは、とある一人暮らしの男性と散歩するのが日課でした。両者はいつも一緒で、片時も離れることがなかったといいます。
 そんな男性が週に一度、散歩の途中で必ず立ち寄る病院がありました。彼は腎臓が悪かったため、週に一回のペースで人工透析を受ける必要があったのです。犬を院内に入れることができなかったため、男性はカネロを病院入口のドア付近で待たせるのが常でした。カネロは行儀が良かったため、主人の命令があるまでうろうろせず、じっとドアの前で待ち続けたといいます。こうした生活は数年に渡って続きました。
病院の外に寝そべって帰らぬ主人を待ち続ける忠犬カネロ  ところが1990年のある日、治療中に男性の容態が急変し、そのまま帰らぬ人となってしまいます。外で待機中のカネロはそんな事も知らず、もう現れることのない主人の帰りをじっと待ち続けました。彼が今日「忠犬」として称えられている理由は、何とそれから12年もの間、ひたすら主人の帰りを待ち続けたからです。
 カネロの待ちぼうけの日々は雨の日も風の日も続き、どんなにおなかが空いても決して動こうとしなかったと言います。地元の人々は彼のことを不憫に思い、エサと水を与え、行政が捕獲しに来た際には、いろいろと理由をつけて追い返すようになりました。
 主人を待ち続ける「忠犬カネロ」の存在は次第に有名となり、病院前で写真を撮る人まで現れるようになりました。しかし路上生活が始まってから12年後の2002年12月9日、彼は車に轢かれてあっけなく死んでしまいます。地元民の悲しみは深く、よく寝起きしていた通りには彼の名を付け、在りし日の姿をプレートに刻み、彼の忠心を記念しています。 Dog or God Canelo faithful dog

カネロの写真・動画

 以下でご紹介するのは、主人の帰りを12年間待ち続けたスペインの忠犬「カネロ」の写真と動画です。 病院近くの通りをうろつくカネロの姿
 主人の帰りをけなげに待ち続けるカネロの姿に、地元の人々は心を打たれた。スペインでは犬にリードを付けなくても良いため、カネロはかなり自由に身動きが取れる。 写真の出典はこちら
カネロの忠心を称えるプラーク(盾)
 スペイン・カディズにある「Puerta del Mar Hospital」の裏手通りは「カネロ通り」と命名され、彼の忠心を称えるプレートが設置されている。 写真の出典はこちら「Puerta del Mar Hospital」の裏手にある「カネロ通り」
忠犬カネロ
 以下でご紹介するのは、忠犬として名高い「カネロ」の動画です。最後は往来で車にひき逃げされてしまうという、何とも後味の悪い最期を迎えました。元動画は→こちら