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犬の「正常」を知る

 犬が健康であるかどうかはバイタルサインに現れることがあります。バイタルサインとは血圧、心拍数、呼吸速度、体温といった客観的なデータを総括した概念です。

バイタルチェックの注意点

 犬のバイタルサインをチェックする習慣を持っていれば、体調不良や病気に気づきやすくなります。バイタルサインとは、あらゆる生体内で客観的に観察される数値を総括した概念のことです。当ページでは、家庭でもチェックしやすい血圧、心拍数、呼吸速度、体温の4項目について解説します。犬との触れ合いを兼ね、週に1回程度の割合で行うようにしましょう。
 なおバイタルサインチェックを行う際の注意点は以下です。こうした注意を怠ると、数値に誤差が生じてしまいます。またバイタルサインは体調不良の可能性を示すものであり、病気の診断に用いるものではありません。異常が見つかった際の本格的な診察は必ず獣医さんに任せてください。
バイタルチェックの注意点
  • 犬がリラックスしているときに行う
  • 犬と親しい人が行う
  • 室温は暑すぎず寒すぎず
  • 運動後は避ける
  • 明らかな病気の時は避ける
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体温のチェック方法

 1歳を超えた成犬の平熱は深部体温で37.5~39.2℃です。子犬ではやや低く35.6~36.1℃で、4週齢頃から自力での体温維持ができるようになります。
 体温を知る最も簡単な方法は、犬を抱っこすることです。抱っこしたとき、いつもより火照っている感じがしたら高体温を、逆に温かさを感じない場合は低体温を疑います。日ごろからよく犬と触れ合っていれば、体温の変化に比較的気付きやすくなるでしょう。 犬の体温測定~直腸式と耳式  より正確な体温を知りたい場合は、体温計を用います。肛門から直腸温度を測定する場合は、ペット用体温計の先端にワセリンなどをつけ、お尻の穴から挿し込みます。しかしこの方法は、犬が嫌がることがあったり、衛生面での問題が発生することもありますので、獣医さんに任せた方がよいでしょう。家庭では、耳で測定するペット用体温計が売られていますので、こちらを用いた方が無難です。
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呼吸数のチェック方法

 犬の正常な呼吸数は1分間で10~35回です。
 犬の呼吸数は、休んでいるときにおなかの上下動を見れば簡単にわかります。15秒間の呼吸数を4倍する方法は不正確になりやすいため、最低でも30秒間の呼吸数をカウントした方がよいでしょう。犬の呼吸数は腹部の上下動をカウントする  運動の直後や、レム睡眠(浅い眠り)に入ってるときには、呼吸がやや乱れることがあります。正確を期すため、穏やかに眠っているときを狙って観察してみましょう。もしおなかの上下動がはっきりしない場合は、寝ている犬の鼻先にティッシュペーパーの切れ端を垂らすという方法でも構いません。息を吐き出すたびにティッシュが揺れますので、その揺れた数を呼吸数としてカウントします。
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心拍数のチェック方法

 犬の正常な心拍数は、1分間で60~140拍、15秒で15~35拍程度です。一般的に、体が小さくなればなるほど心拍数は増加し、小型犬では180拍、生まれたばかりの子犬では220拍を記録することもあります。 犬の心拍の数え方~心臓と大腿動脈のおおまかな位置  犬の心臓は、左前足の肘を脇腹にくっつけたあたりにあります。ただし犬種によって足の長さがまちまちですので、必ずしもすべての犬にこの目安があてはまる訳ではありません。日頃から心臓の位置を素早く特定できるよう練習しておいてください。心拍数を指先や手の平に感じ取ることができたら、それをカウントします。60秒間フルで数えてもよいですし、15秒間の脈拍だけ数え、それを4倍しても構いません。また聴診器を持っている場合はそちらを用いたほうがより正確でしょう。
 他の方法としては、大腿動脈(だいたいどうみゃく)を触診するという方法もあります。犬がゴロンと横になったタイミングで、床に接している方の足を確保しましょう。これは心臓より低く、また床に対して圧迫しやすいためです。足を確保したら、人差し指と中指を揃え、股間から太ももの内側に沿って少しずつ下にずらしていきます。慣れてくると、筋肉と筋肉の境目あたりにわずかな拍動を感じることができるはずです。拍動を触知できたら、60秒間数えるか、15秒数えてそれを4倍します。ただし人間の「白衣高血圧」同様、犬が緊張していると心拍数に誤差が生じる危険性がありますので、計測するのは犬がリラックスしているときに限定して下さい。
白衣高血圧  「白衣高血圧」とは、診察室に入り白衣を着た医師や看護師を目の前にすると、緊張感から血圧が上昇してしまう現象のことです。犬でも緊張感があると、血圧や心拍数に変化が生じる可能性がありますので、リラックス時以外の計測は避けるようにします。
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血圧のチェック方法

 犬の正常な血圧は収縮期血圧で180mmHg未満、拡張期血圧で120mmHg未満の範囲内です。ただし犬の血圧に関しては万国共通の正常値がなく、また犬種間によってばらつきがありますので、正常と異常の境目を明確化することは容易ではありません。上記数値は、あくまでも目安としてお考えください。
 正確な血圧は人間と同様、カフ(腕輪)を巻きつけて測定しますが、巻きつける場所には、前足、しっぽ、後ろ足と言ったバリエーションがあります。これは獣医さんに任せましょう。犬の歯茎を押す毛細血管再充満時間テスト家庭でもできる簡易血圧チェック法は、「キャピラリテスト」(Capillary refill time)です。正確には「毛細血管再充満時間テスト」と言いますが、長ったらしいので当ページ内では「キャピラリテスト」と呼ぶことにします。
 やり方は、まず犬の口を開き歯茎を指で押します。すると血液が押し出されて白くなるはずです。白くなったらすかさず指を離します。血液が戻り歯ぐきが再び赤くなるまでの時間を測ってみましょう。正常であれば2秒未満で戻ります。もし2秒以上かかるようでしたら血圧の低下、脱水、ショック、低体温などの可能性が考えられますので、獣医さんに相談した方がよいかもしれません。
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