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犬の耳疥癬

 犬の耳疥癬(みみかいせん)について病態、症状、原因、治療法別にまとめました。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い犬の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

犬の耳疥癬の病態と症状

 犬の耳疥癬とは、耳の中でダニが繁殖した状態を言います。「耳ダニ症」とも呼ばれます。
ミミヒゼンダニの顕微鏡写真  犬の耳に寄生するのは主としてミミヒゼンダニと呼ばれる体長0.3mm~0.5mmのダニです。紛らわしいものとして疥癬を引き起こすイヌセンコウヒゼンダニがいますが、こちらが全身に寄生するのに対し、ミミヒゼンダニは主に耳の中に寄生するという特徴があります。栄養源は耳の中の耳垢や傷ついた皮膚のカサブタ、リンパ液、血液などです。イヌセンコウヒゼンダニのように皮膚を食い破って中に侵入することはないものの、耳垢を分泌する腺組織を刺激するため、耳の中が次第に耳垢とダニの排せつ物で埋め尽くされていきます。かゆみを引き起こしているのは、ダニが血を吸うときに付けた小さな傷と、その傷口に集まってきた免疫細胞が放出する各種の化学物質です。 犬の耳疥癬~耳の中で繁殖した疥癬が黒ずみとして視認できる  犬の耳疥癬の症状としては以下のようなものが挙げられます。感染率は品種や性別とは関係ありません。
耳疥癬の主症状
  • 耳の黒ずみ
  • 耳から悪臭が漂う
  • 耳垢がたまる
  • 耳をかく
  • 頭を振る
  • 耳周辺のひっかき傷
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犬の耳疥癬の原因

 犬の耳疥癬の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
耳疥癬の主な原因
  • 耳の手入れ不足 飼い主が耳の手入れを怠ると、耳の中に耳垢がたまり、ミミヒゼンダニにとって住みやすい環境が整ってしまいます。また日常的に耳の中をチェックしないことは、ダニの感染を見落とすことにもつながります。
  • 感染動物との接触 ミミヒゼンダニはすでに感染している動物から他の動物へと容易に移ります。不衛生な環境における多頭飼育が増悪因子です。
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犬の耳疥癬の治療

 犬の耳疥癬の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
耳疥癬の主な治療法
  • 局所治療  まずたまった耳垢を洗浄剤を用いてきれいに除去します。その後耳用の抗ダニ薬を局所的に塗布します。
  • 駆虫薬の投与  殺疥癬効果のある薬を投与します。具体的にはセラメクチン、ミルベマイシン、イベルメクチンなどです。セラメクチンに関しては、スポット式の薬剤(レボリューションなど)が流通しており、首筋に垂らすだけで治療効果が期待できます。最後に挙げたイベルメクチンに関しては、フィラリアを保有している犬には使えません。またコリーシェットランドシープドッグオールドイングリッシュシープドッグオーストラリアンシェパードといった犬種においては、遺伝的に重い副作用を引き起こすことがありますので慎重に考慮します。
  • 耳の手入れ 飼い主が日常的に犬の耳の中をチェックしてあげることが予防につながります。また仮に感染してしまっても、早期に発見できればそれだけ症状の悪化を食い止めることができます。 犬の耳のケア
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